あなたの心の声なき声

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ある、50人が参加するセミナーでのこと。
1人の参加者が「すみません、少し暑いのでクーラーの温度を下げてもらえませんか?」と講師に伝えました。
講師は「分かりました」と答えて、すぐにクーラーの設定温度を下げました。

この講師は、セミナー参加者の声にすぐに答えていますね。
とても親切な対応だと思います。
でも、あなたは、これのどこが問題か分かりますか?

実は、この講師はクーラーの設定温度を変える前に、他の49人の意見を聞くべきだったのです。
1人が「暑い」と不満を持ったからと言って、他の人たちも同様の不満を持っているとは限りません。
そして、得てして人は、現状に満足していると、あえて声をあげようとはしないものなのです。
今回の例では、他の49人の人達は、その状態に満足していた可能性が高いのです。
このような、声をあげない多数派のことを「サイレント・マジョリティ」といいます。

マーケティングでは、このサイレント・マジョリティのニーズを捉えることが重要だと言われています。
ある1人の顧客から寄せられた不満を取り上げて、それを基にサービス内容を変更したものの、それまでのサービスに満足していた他の顧客達が離れていってしまっては、元も子もありません。
クレームや意見を寄せてくれる人はとても貴重な存在ですが、その意見を聞くことが、必ずしも大多数の意見を反映しているとは限らないのです。

では、ここで、あなたの心に目を向けてみましょう。
あなたは願望を持っています。
今はまだ現実になっていないため、その部分では満たされておらず、あなたは不満に思っているでしょう。
願望を持っている人は、現在の自分の状態に不満を覚えてしまいがちです。
しかし、あなたの現状は、それほど満たされていない状態なのでしょうか?
金銭的な願望を持っている人は、金銭面では現状に不満を持っていたとしても、ひょっとすると、素晴らしい人間関係に恵まれているかもしれません。
逆に、人間関係の改善が願望だという人が、金銭面では何不自由なく生活している場合もあるでしょう。
また、何かの病気で苦しんでいる人も、それ以外の体の部位には痛みや異常がないかもしれません。

不満を持つと、人々は声をあげます。
それと同じように、あなたの心も不満を見つけると、大きな声を出してあなたに知らせてきます。
そのせいで、自分の人生の満たされていない面に、ついつい目が向きがちです。
しかし、満たされているせいで声をあげることがない「心のサイレント・マジョリティ」に目を向けることで、今に満足して生きることができるでしょう。